ぶりの照り焼きが硬くなる理由
よくある失敗の原因
ぶりの身が硬くなる一番の理由は「火を通しすぎること」です。
魚は加熱しすぎると水分が抜け、身がパサパサしてしまいます。
また、臭み取りをせずにそのまま焼くと、味がしみにくくなり、風味も落ちます。
冷たいまま焼き始めると表面だけが加熱されすぎ、中心まで火が通る頃には身が硬くなってしまうこともあります。
加熱しすぎを見極めるコツ
焼いた後に身が大きく縮み、繊維がほぐれすぎているなら加熱しすぎです。
箸を入れたときに弾力が強く、ほぐれにくいのも同じサインです。
理想は、箸を入れるとスッとほぐれ、断面にしっとり水分が残っている状態。
迷ったときは一切れを取り出して試してみるのがおすすめです。
天然ぶりと養殖ぶりの違い
天然ぶりは身が引き締まって脂が少ないため、火を通しすぎると硬くなりやすい傾向があります。
一方、養殖ぶりは脂が多めで、比較的しっとり仕上がりやすい特徴があります。
どちらの場合も、加熱しすぎないよう注意することが大切です。
ふっくら仕上げるための下準備
臭みを取る下処理
臭みの原因となる血合いや皮のぬめりをしっかり落としましょう。
流水で軽く洗い、塩をふって10分ほど置くと余分な水分と一緒に臭みも抜けます。
さらに「霜降り」といって熱湯をさっとかけると、ぬめりが取れて味が入りやすくなります。
氷水で締めてから水気を拭き取ると、身が崩れにくくなります。
下味をつける
塩をふって水分を抜き、身を引き締めます。
その後、料理酒をまぶして15分ほど置くと、臭みが和らぎ、柔らかく仕上がります。
しょうがやねぎと一緒に漬けると香りもついて、風味が増します。
塩水に浸けるとさらに良い
3%程度の塩水に数分~10分ほど浸すと、身がしっとりして崩れにくくなります。
塩分が均等に行き渡ることで、味が入りやすく、焼き上がりもふっくらします。
柔らかく焼き上げる調理のコツ
火加減と焼く順番
強火ではなく、中火から弱火でじっくり焼きましょう。
まず皮目を下にして焼き色をつけ、その後裏返して蓋をして蒸し焼きにすると、中まで火が通りやすく、身も乾燥しません。
タレを入れるタイミング
タレは最後に加えるのがポイントです。
早く入れると焦げやすく、味も薄くなってしまいます。
ぶりに火が通ったらタレを加え、煮詰めながら絡めると照りと旨みが残ります。
基本レシピとアレンジ方法
簡単な基本レシピ
1.ぶりに塩をふって10分置き、水分を拭く。
2.料理酒をふってさらに5分置く。
3.フライパンで皮目から中火で焼き、裏返して弱火で2~3分蒸し焼きにする。
4.醤油・みりん・酒・砂糖を各大さじ1ずつ混ぜたタレを入れ、強めの火で煮詰めながら絡めて完成。
作り置きやリメイクに便利
照り焼きは冷めてもおいしいのでお弁当にもぴったりです。
冷蔵なら翌日までおいしく食べられ、冷凍保存もできます。
ほぐしてマヨネーズと和えたり、サラダや丼にしてもおいしく、残り物も立派な一品になります。
よくある疑問を解決
失敗しやすいポイントと対策
Q:焦げてしまう
A:タレを入れるのが早すぎです。仕上げに入れましょう。
Q:身がパサつく
A:加熱しすぎが原因です。中火以下で焼き、余熱で仕上げるのがコツです。
Q:タレが絡まない
A:焼く前に表面の水分をしっかり拭き取り、タレを煮詰めて絡ませましょう。
厚切りを柔らかく焼く方法
厚切りのぶりは焼く前に室温に戻すと火の通りが均一になります。
皮目から焼き、裏返したらすぐに蓋をして蒸し焼きにすると、しっとり仕上がります。
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まとめ
ぶりの照り焼きをおいしく作るためのポイントは次の3つです。
1.下ごしらえを丁寧に行う
2.加熱しすぎないよう火加減を工夫する
3.タレを加えるタイミングを守る
この3つを意識するだけで仕上がりが大きく変わります。
ぜひ次の食卓で、ふっくらジューシーなぶりの照り焼きに挑戦してみてください。