信州とは何か?言葉の意味と歴史
「信州そば」や「信州りんご」などでよく聞く「信州」という言葉。
でも、具体的にどの場所を指しているのか説明しようとすると迷ってしまう方もいるかもしれません。
実は、「信州」とは今の長野県を指す呼び名です。
なぜ「信州」と呼ばれるようになったのか、その理由や歴史について見ていきましょう。
もともとは「信濃国」だった
昔の日本には今のような都道府県がなく、「国(くに)」という単位で分かれていました。
長野県のあたりは「信濃国(しなののくに)」と呼ばれていたため、その頭文字の「信」に、「州(しゅう)」を組み合わせて「信州」となりました。
このような呼び方は他の地域でも見られ、例えば山梨県は「甲斐国」だったので「甲州」と呼ばれます。
「信州」という言葉は、昔から地域の人たちの間で親しまれてきた歴史ある名前です。
長野県という名前ができたわけ
明治時代になると、日本中で行政区分が見直され、今の「県」という仕組みができました。
当時、信濃国も一度は何県かに分けられましたが、最終的に県庁が長野に置かれたことから「長野県」となりました。
しかし、地域の人たちは今も「信州」という呼び方に親しみを持ち続けています。
特産品や観光の場面では「信州」と呼ばれることが多いですが、公式な場では「長野県」と言われます。
「信州」と「長野」の違いと使われ方
「信州」と「長野」は同じ場所を指していますが、使われる場面やイメージには違いがあります。
「信州」は、自然や伝統、ふるさとといった温かみや親しみを感じさせる言葉です。
「信州そば」や「信州りんご」など、特産品や観光、大学の名前にもよく使われています。
一方、「長野」は、県名や市名、駅名など、行政や都市に関する正式な場で使われることが多いです。
たとえば「長野県庁」「長野市」「長野駅」などがそうです。
つまり、「信州」は柔らかく親しみやすい雰囲気で使われ、「長野」は公的なシーンや都市の名前として使われる、という違いがあります。
どちらも間違いではなく、場面によって使い分けられているのです。
信州(長野県)のエリアごとの魅力
信州、つまり長野県は、日本で4番目に広い県です。
広いので地域ごとに個性があり、旅をする時もエリアごとの特徴を知っておくと楽しみが広がります。
ここでは主に4つのエリアを紹介します。
北信エリア(長野市・善光寺・志賀高原)
県の北部にある北信エリアは、長野市を中心とした地域です。
善光寺という歴史あるお寺や、世界中からスキー客が集まる志賀高原、温泉に入るサルで有名な地獄谷野猿公苑など、歴史も自然も楽しめる場所です。
東信エリア(軽井沢・上田)
東信エリアは東京からのアクセスが良く、高原リゾートの軽井沢が人気です。
他にも、戦国時代の面影を残す上田や、雄大な浅間山周辺の自然など、観光や歴史、自然を一度に味わえます。
中信エリア(松本・安曇野・上高地)
中信は松本城で有名な松本市をはじめ、田園風景が美しい安曇野、日本有数の景勝地・上高地など見どころが豊富です。
北アルプスの雄大な自然や、歴史と文化、アートに触れられるエリアです。
南信エリア(伊那・駒ヶ根・諏訪)
南信は南アルプスと中央アルプスに囲まれた自然豊かな地域です。
ロープウェイで手軽に高山まで行ける千畳敷カールや、多くの人に信仰されてきた諏訪大社、星空や桜の名所など、季節ごとにさまざまな魅力があります。
信州の名産品3つを紹介
信州の名前を有名にしているのは、気候や風土を生かしたたくさんの名産品です。
特に知られているものを3つ紹介します。
信州そば
信州はそばの生産が盛んです。
高原地帯の涼しさや昼夜の温度差が、そばの風味を良くします。
戸隠や開田高原など、場所ごとに特徴のあるそばを食べ比べるのもおすすめです。
信州りんご
信州のりんごは全国でもトップクラスの生産量を誇ります。
太陽の光をたっぷり浴びて育つりんごは、甘みとシャキシャキした食感が魅力です。
「ふじ」や「シナノスイート」など、いろいろな種類があります。
信州味噌
長野県は日本一の味噌の生産地です。
澄んだ水と空気、寒い気候が、味噌作りにぴったり。
まろやかで米こうじの風味が感じられる信州味噌は、どんな料理にもよく合い、毎日の食卓で活躍します。
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まとめ~信州という呼び名に込められた思い
「信州」とは長野県を表す昔からの呼び名で、その由来は「信濃国」にあります。
今でも自然や文化、食べ物など、親しみやすいイメージで使われています。
長野県はエリアごとに個性的な観光地やグルメがあり、知れば知るほど奥深い土地です。
これから「信州」という言葉を目にしたときは、その土地の自然や歴史、文化の豊かさにもぜひ思いを馳せてみてください。