フリクションの文字はなぜ消えるの?
フリクションペンは、書いた文字を簡単に消せることで人気の文房具です。
でも、「思わず消えてしまった」「消したはずの文字がまた見えてきた」など、ちょっとしたトラブルに戸惑うこともあるかもしれません。
このペンのインクは、実は「こすって消す」だけではなく、温度によって色が見えなくなる仕組みです。
60℃以上の熱が加わるとインクが透明になり、逆に-10℃くらいまで冷やすと、消えたはずの文字が再び浮かび上がってくる場合があります。
つまり、本当の意味で消えているわけではなく、「見えない状態になっている」だけなのです。
このインクは「熱で色が変わるインク(サーモクロミックインク)」と呼ばれます。
そのため、例えば夏の車内や、コピー機など熱が加わる場所では文字が消えてしまうことも。
反対に冷蔵庫や冷凍庫に入れると文字が戻ってしまうこともあるため、大事な書類には使わないほうが安心です。
消える・戻るポイントまとめ
・熱を加えるとインクが透明になる
・60℃以上で文字が消える
・-10℃くらいまで冷やすと再び色が戻ることがある
・摩擦や温度で変化するため、保管場所に注意する
身近なもので文字を消す方法
専用の消しゴム(ラバー)がなくても、家にあるものでフリクションの文字を消すことができます。
紙が傷みにくい順にいくつか紹介します。
1.プラスチックカードや定規
カードや定規の角で紙を円を描くようにすばやくこすります。
ややざらっとした素材の方が熱を伝えやすいです。
2.硬貨(10円玉や100円玉)
コインのふちを紙に当て、軽くすべらせるようにこすります。
力を入れすぎず、軽く動かすのがコツです。
3.ガラス瓶やマグカップの底
底がザラザラしていると摩擦が起こりやすいです。
重さで押しすぎないように注意しながら動かします。
4.木のスプーンや菜箸の持ち手
木のざらついた部分を使うと、ちょうどよい摩擦が生まれます。
持ちやすいので細かい作業にも便利です。
5.指先や手のひら
一番身近な方法です。
指の腹で素早くこすると体温と摩擦で温かくなり、文字が消えます。
手が汗ばんでいると紙がよれてしまうので、乾いた手で行うのがポイントです。
※どの方法も「完全に消す」のではなく、「見えなくしている」だけなので、冷やすと文字が戻ることがあります。
きれいに消すためのコツと注意したいこと
フリクションを上手に消すには、狭い範囲をリズミカルにこすって熱を素早く伝えるのが大切です。
直径1~2センチくらいの範囲を集中してこすりましょう。
カードや指なら少し強め、硬貨やガラスなど固いものは優しく使うのがおすすめです。
やめておいたほうがいい方法
・濡れた手や布でこするとインクがにじみやすい
・カッターや金属で強くこすると紙が破れる
・アイロンや直火を使うと紙が傷んだり変色する
・ドライヤーは紙が波打つことがあるので使い方に注意
・重要な書類やテスト、公式な書類にはフリクションを使わない
外出先で困ったときの対処法と買える場所
外で消したいときのアイデア
・財布の中のコインの縁を使う
・乾いたハンカチや布を指に巻いてこする
・バッグの金具やファスナー部分を使う
・温まったスマートフォン本体を使う方法もあるが、やりすぎに注意
消しゴムや替え芯が買える場所
・スーパーや雑貨店の文房具コーナー
・ネット通販(Amazon、楽天など)
・100円ショップでも手に入ることがある
使う前に知っておきたいフリクションの注意点
・熱で消え、冷やすと戻ることがある
・消すときは狭い範囲をスピーディーにこする(目標は60℃程度)
・重要な場面では使用を避ける
・専用ラバーがなくても慌てずに身近なもので代用できる
よくある失敗と解決方法
消した文字が戻ってしまったとき
車の中などでノートを放置すると消え、冷蔵庫や冷凍庫で冷やすと文字が戻ることがあります。
こうした現象を避けるには、消した後は寒い場所に置かない、または重要な内容は他の方法でも記録しておくと安心です。
ドライヤーで紙が傷んだ場合
ドライヤーで急いで消そうとすると紙が変形することがあります。
使うなら短時間、弱い風で、離して当てるようにしましょう。
基本は摩擦で消すのが安心です。
紙が破れてしまったとき
硬貨や金属で強くこすりすぎると、紙に穴があくことも。
やさしく、素早く動かすのがポイントです。
事前にいらない紙で練習するのもおすすめです。
大事な書類で使ってトラブルに
テストや大切な書類にフリクションを使って、温度変化で文字が消えてしまい困った事例も実際にあります。
重要な書類には普通のボールペンを使いましょう。
フリクションはメモや下書き用にするのが安全です。
保存・保管のポイント
・直射日光や高温になる場所(車内など)を避ける
・冷蔵庫や冷凍庫で消した文字が戻ることがあるので注意
・インクがあるのに書けなくなったら、2~5分ほど冷やしてみると復活する場合がある
・ペンは立てて保管し、横倒しのままにしない
フリクションは温度に敏感なため、極端な加熱や冷却を避けて保管しましょう。
大事な場面では避け、普段使いやメモ用として使うのが安心です。
冷凍庫で文字を戻す裏ワザと注意
冷凍庫で文字が戻ることがある
フリクションの文字は高温で消えますが、冷凍庫(およそ4℃以下、できれば-10℃以下)にノートを入れると、消えた文字が戻ることがあります。
すべてが完璧に戻るわけではなく、紙の状態によっては戻らないこともあります。
まとめ
・冷凍庫で消えた文字が戻る場合がある
・目安は4℃以下だが、すべての文字が戻るとは限らない
・緊急時のテクニックとして使える
ペンが書けなくなったときの対処法
フリクションペンが「インク切れかな?」と思っても、実は暑さでインクが透明になっているだけのことがあります。
その場合、ペンを2~5分ほど冷やしてみましょう。
インクが冷えて再び書けるようになることもあります。夏場など暑い日は特に効果的です。
まとめ
・書けなくなったときは、冷やしてみると復活することがある
・高温の場所で使った後はまず冷却を試してみる
冷却テクニックを使うときの注意点
冷蔵庫や冷凍庫で文字を戻したりペンを復活させたりする方法は便利ですが、以下の点に気をつけてください。
・公式な書類やテストには使わない
・完全に元通りになるとは限らない
・冷やした後に高温になるとまた消える
・まずは不要な紙などで試してみる
冷却テクニックは「どうしても困ったときの裏ワザ」として使い、普段は専用の消しゴムやほかのペンを使うのが安心です。
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フリクションをもっと上手に使いこなすために
インクが「消える」仕組みを知っておこう
インクは摩擦熱で透明になり、冷やすとまた色が戻る特性があります。
冷却で消えた文字を戻す方法
暑さでノートの文字が消えても、冷凍庫で冷やせば戻ることがあるので安心です。
ペンが書けなくなったときは冷やしてみる
インクが出なくなっても、数分冷やせば復活する場合があります。
大切な注意点
冷やすと文字が戻ることや、紙によっては完全に戻らないことも知っておきましょう。
公式な場面や重要なメモには普通のペンを使うのがおすすめです。
まとめ―安心してフリクションを使うために
フリクションは「熱で消える」「冷やすと戻る」という特徴があるので、その性質を知っていれば、もしもの時も慌てずに対応できます。
冷凍庫で戻すワザは便利ですが、普段使いのペンとして上手に活用してみてください。